世界で起こっている真実
先日、映画『娘は戦場で生まれた』を観てきました。
舞台は中東シリア。
内戦が絶えず毎日空爆の恐怖に晒されている。
そんな国です。
そんな過酷な環境の中、ジャーナリストに憧れる女性と医師である男性との間に生まれたのがこの映画の主人公『サマ』という女の子であった。
本来なら、というか2020年現在の日本のような環境であれば子どもが生まれるということは何にも変えがたい幸福なエピソードであるはずがこのシリアという国においてはいつ誰がどのようにして命を落としてしまうかの検討もつかないようなそんな状態であるため子どもを産むということだけでも余程の覚悟があったものと推測できる。
日本にいてはなかなか実感するのは難しいことだがオリンピック開催に国民全体が熱狂する国もあれば国民全体がその日生き抜くことに精一杯になっている国もまだまだあるという現実を痛烈に突きつけられた気がした。
そしてサマの母親はその現実を将来幸せに生きて欲しいと願う娘へ記録として残すために日々カメラを回すのだった。
過酷な戦場とともに
戦場での生活は一瞬たりとも気を抜けない。
いつ空爆が襲ってくるか分からない恐怖と常に戦わなくてはならない。
映画には実際に空爆によって傷ついた人達はもちろん、カメラの前で実際に息をひきとるシーンも現実そのままに記録してある。
そんな日常を時にはサマを傍らに、ときには友人にサマを託しながらも記録していく様子はまさに彼女が伝えたいこと、我が娘に残したいものを伝えるには十分過ぎる熱量をはらんでいた。
そして何より徐々に相手軍に追い詰められていく形が更に緊迫感を助長し、死へのイメージを強くさせていった。
地域の病院が次々に空爆され、最後にはサマの父親の病院だけになった時には現場の人たちはいろんな意味で覚悟していたのだろうと思う。
まさに言葉に偽りなしの
『死と隣り合わせ』
そんな状況でも現実から目を背けず娘のために患者と向き合い、カメラを回す。
考えられないような精神状態だろうと思う。
まとめ
この作品を観て、感じることはたくさんあったが以下のことは忘れず今後の生活の糧にしたいと思う。
・幸せな日常とはかけ離れた世界に住む人もたくさんいる。
・子どものために何が出来るのか常に考え行動する。
・死との向き合い方に正式な答えなどないが少なくとも隣り合わせではない今に感謝する。
ぜひ子を持つ親御さんには観て欲しいし、学生の方々にも世界のリアルの1ページとして観て欲しい。
自分が接することのないリアルに触れることで感じる新しい感情が必ずあるはずだから。
争うことの悲しさ、生と死について考える時間が私たち日本人にはもっともっと必要なのかもしれません。
コメント